国立西洋美術館が世界遺産になぜ?理由。

東京上野の「国立西洋美術館」が世界遺産に登録されることが7月17日に決まった。

東京都内で世界遺産が登録されるのは初だという。

世界遺産に登録された理由

フランスの建築家ル・コルビュジエ(1887~1965)が設計した為です。ル・コルビュジエはフランスを中心に活動をしていた建築家ですが、「国立西洋美術館」は日本で唯一の彼の建築物なんです。

ル・コルビュジエは、鉄筋コンクリートを有効で、かつ美しく使った人と言われています。街のビル・アパート・マンションのほとんどはル・コルビュジエの提唱した通りのものであるといわれている。

世界遺産に登録された国立西洋美術館は建物(美術館の本館)が主役である。見に行く際は、展示されている作品を見るのではなく建物を見に行きましょう。

国立西洋美術館のすごいところ(建築探検マップもダウンロードできます)

国立西洋美術館の本館は、ル・コルビュジエのいろいろなアイディアが活かされています。
・外光をとり入れたホール
・雨や日差しをさけて人が行き来できる入口のピロティ
※ピロティとは建物の一部が独立柱によって支えられている空間です。
・自分がどこにいるのかわからなくなりそうなぐるりと回った展示空間
※展示室の中心にスロープで昇っていく渦巻き形の動線

国立西洋美術館の常設展示室で「建築探検マップ」が無料配布されているのでそちらを手に入れたら楽しさも倍だろう。
国立西洋美術館の公式HPでも「建築探検マップ」がpdfで無料配布されている(非常に解りづらいが公式HPの一番下にあります)

こちらからPDFファイルがダウンロードできます。

国立西洋美術館のなにがすごいの?

ル・コルビュジエの建築を 知るためのキーワード

モデュロール

ル・コルビュジエが考えだした、建築の寸法を決めるルールで、黄金比と身体のサイズを利用してつくった定規です。たとえば、人 (183cmのヨーロッパの男性)が手をのばした高さ(226cm)を住 宅の天井にちょうどよい高さと定めました。このようにして、建物、部屋、さらに家具の大きさなども「モデュロール」で決めています。

無限成長美術館

ル・コルビュジエは、巻貝が中心から出発して外に向かっていくよう に、コレクションが増えるにしたがって、建物の外側に展示室を追加 していくことのできる「無限成長美術館」を構想していました。無限 成長美術館の原理(緑字)と、国立西洋美術館本館に実現されたそ の特徴は以下のとおりです。
1|ピロティ
本館正面には柱で支えられたピロティの空間があります。
2|建物中心のホール 本館の中心に置かれた19世紀ホールが出発点となります。
3|四角い螺旋状の空間 19世紀ホールを出発し、四角いホールの周囲を螺旋状にぐるりと回るように展 示室を歩いていきます→マップ5
4|中3階 2階の展示室から見上げると、卍状に配された照明ギャラリーと中3階が見えます
5|柱と柱の間/柱の高さの寸法の基準化 ル・コルビュジエの案はそれぞれ7m、4.5mですが、本館の場合はモデュロール を取り入れた6.35mと2.96mとなっています。
6|見通しのある空間 展示室を小さな部屋に区切らずひと続きの空間とすることで、全体を見通すこ とが容易になります。
7|規格化 建築材や建物の寸法を規格化することで、経済的に建物を作ることができます。
8|美術館運営にあわせた豊かな組み合わせ 美術館側がさまざまな展示を行えるように、大小の仮設壁や中3階などバリエ ーションのある空間が、当初、用意されていました。

 

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